バーチャルオフィスを利用できる?せどり営業の実体について

バーチャルオフィスを利用できる?せどり営業の実体について

 

近年、人気の「せどり」ですが、商品を安く仕入れ高く売り、差額で収益を得る働き方になります。これらの仕事も個人事業主になるため、開業届の提出が必要です。今回は、バーチャルオフィスを利用できる?せどり営業の実体についてお伝えします。

 

せどりや転売ヤーについて

 

フリマアプリやネットオークションに商品を出品し、収益を得る働き方をする「せどり」や「転売ヤー」といった言葉を、近年よく耳にする機会が増えました。

 

ただし、せどりや転売ヤーの働き方は、サラリーマンの小遣い稼ぎや主婦がスキマ時間を利用し、家庭で不要なものを断捨離することで収益を得るといったタイプではありません。

 

中古品を取り扱う大手チエーン店で高く売れそうな商品を見つけたり、プレミアの付きそうな新製品などを購入し、高く売り差額で収益を得る業種となります。

 

扱う商品によっては、定価の倍以上などの値が付くこともあるため、大きく収益を挙げられる事もあるとして、多くの方が参入している市場でもあります。

市場拡大した理由もインターネットの成長によるものだとされており、パソコンやスマートフォンがあれば、簡単に誰でも取引が出来るようになったことが要因だとされています。

 

古物商許可証が必要なのか?

 

個人で商品を売買する場合に、古物商になるのか?といった疑問をネットなどの情報を調べると、自宅の不要品をメルカリやヤフオクなどで販売する場合には、基本的に古物商にはなりませんし、取引をするための古物商許可取得の必要性はありません。

これは、自身の不用品を売却するという行動は、古物の仕入を行っておらず、古物商の制約に該当しないためです。

 

しかし、個人で商品売買のための仕入れ・売却を目的とした商売をする「せどり」や「転売ヤー」は、公安委員会から古物商許可を取得しておくべきです。

 

これは、あまりにも収益が大きい場合には、確定申告などの収支報告をしなければ、仮に税務署などが監査に入った場合には、無許可営業や申告漏れによって、大きく罰せられる可能性があります。

 

無許可営業の場合の罰則は、3年以下の懲役または100万円以下の罰金で情状によりこれらを併科することができるとなっています。そして、確定申告漏れによる、税金の延滞税や過少申告加算税が課税されますので、あまりにも大きな罰則を科されることになります。

 

古物商はバーチャルオフィスで開業できる?

 

バーチャルオフィスを利用して起業する方は増えています。

これは、起業する際に賃貸物件などを借りて起業するのでは、多額の資金が必要となるため、無駄な費用を割きたくないといった考えの方が、バーチャルオフィスを利用する傾向にあります。

 

しかし、バーチャルオフィスの貸し住所を利用して起業できない職種もあるのです。

結論から言うと、古物商を営もうとする方は、バーチャルオフィスでの起業は行えません。

 

古物商を開業するには都道府県公安委員会が所管する「古物商許可」の取得が必要となります。そして、一番ネックとされるのが、営業所の所在です。

営業所は実態が確認でき、独立性が保たれている場所を登録しなければなりません。

 

そのため、一般的なご家庭などの空間であれば、まず登録はできます。

しかし、お住いが賃貸物件など他人の所有している物件を営業所に記載するには、使用承諾を確認しなければならないケースもあり、オーナー・所有者の意向に左右されるので、申請のハードルも高くなります。

 

また、バーチャルオフィスだけでなく、実体はあるけれども独立性が保たれていない「シェアオフィス」や「レンタルオフィス」の貸し住所でも登録ができない可能性が高いので、注意しましょう。

 

バレないからいいやは絶対にダメ!

 

せどりや転売ヤーといった販売形態は、ネットを主体として行うこともあり、無申告の人がいるかもしれません。しかし、1年2年とバレないから大丈夫と考えるのは止めた方が良いでしょう。

 

なぜなら、フリマアプリやオークションサイトなどの情報照会を国税庁はやっており、不正を追求し情報を揃えた上で、税務調査にやってくるため、確定申告はしっかりと行いましょう。

 

また副業で行っている方も、所得が20万円を超えた場合には、所得税の確定申告を提出する必要がありますので、気を付けましょう。

 

これらをバレないからいいやで行っていると、追徴課税を受けます。故意に申告漏れを起こしていれば、悪質と判断され、重い罰金や刑事事件として扱われる可能性もゼロではありませんので、せどりや転売ヤーとして収益を得ている方は、しっかりと申告義務を果たしましょう。

 

まとめ

 

フリマアプリやオークションサイトなどを利用して利益を上げる「せどり」や「転売ヤー」は、世間の流行りや注目度に敏感に反応し、多くの収益を得ることもあります。

しかし、簡単だから故に、手続き漏れや申告漏れが出来ていないことで、税務調査を受けるケースも珍しくありません。真っ当な方法で、ビジネスを大きく成長させていきましょう。