自宅料理教室を開業する時、大きなリスクになるのが何といっても資金の問題です。
よくあるのが「最初は気合十分だったのに、3年たてば家族のご飯を作るだけに…」といった状態になってしまうケースです。気が付けば預金が減ってしまい、場合によっては借金を抱えてしまうこともあります。
そうならないために、ここで自宅料理教室を成功させるポイントについて見ておきましょう。
目次
「改装費」と「コンセプト」に関する問題をクリアにしよう
料理教室を開業するには、まずはキッチンをダイニング・リビングと一体化した「オープンキッチン」にする必要があります。このための改装は自宅料理教室を開業する時の基本であり、最も多くの資本が必要になります。 しかし、資金の大きさ=リスクの大きさでもあるため、きちんと事前準備をしてから取り組みましょう。
成功ポイント1. コンセプトを確立してから改装する
改装といっても、ただ広げればいいというものではありません。「こんな料理教室にしたい!」という明確なコンセプトがあってこそ、効率的な改装ができるのです。
「お料理が好きなので、趣味でお料理教室を開きたい」ということなら改装はほとんど必要ありません。できる方法で、できるお料理を教えるのが楽しくできるコツです。ダイニングテーブルや椅子なども、使い勝手のいいものを家中からかき集めても、それはそれでアットホームないい空間ができるでしょう。
しかし、たとえ副業でも、事業として始めるのであればコンセプトはしっかりしておく必要があります。以下のようなコンセプトについて明確にしてから、改装について考えましょう。
- 趣味か副業か本業か?
- デモンストレーション型(講師の目の前に生徒が着席し、手順を見ながら学ぶ)教室にするか実習型(講師の指示のもと実際に生徒が調理する)教室にするか?
- どの年齢層をターゲットにするか?
- 専門性の高い正統的な料理にするか、アイデア満載の創作料理にするか?
- 豪華な雰囲気、庶民的な雰囲気のどちらにするか?
デモンストレーション型教室と実習型教室では改装方法は全く異なります。
デモンストレーション型教室の場合、実際に調理するのは講師一人です。生徒さんはそれを見ながらノートをとったり、写真を撮ったりします。シンクやレンジ台などは一つで済みますが、生徒さんが手順を見られるようなレイアウトが必要です。アイランド型のキッチンでないと難しいですし、生徒さんがノートをとることができる大きなテーブルも必要です。
実習型の教室では、シンクやレンジ台、調理台など複数が必要になります。キッチンは相当の広さが必要でしょう。
また専業として始めるなら、相応の事業計画を練るべきです。難しいものでなくても大丈夫。生徒さんの人数は何人ぐらいか?授業料はどれくらいか?など、実際に計算書をつくって利益を割り出しましょう。
成功ポイント2. コンセプト決定には専門家の意見を参考にしよう
和風建築のお宅でフランス料理の教室、古民家でイタリア料理の教室。どちらもおしゃれですよね。もちろん、瀟洒な洋館建てで日本料理の教室もおしゃれです。
しかし、こういったミスマッチと思えるコンセプトをおしゃれに見せるには相当のセンスが必要です。
改装の規模はコンセプトで決まりますが、1人で考えて決めてしまうのはとても危険。専門家のアドバイスを受けることが成功への近道です。
成功ポイント3. 副業から始めて専業に移行する
おすすめは、最初は副業から始めて、ある程度軌道に乗ったところで専業に切り替えていく方法です。
収入源を残したまま、週1,2回教室を開いて感触を確かめ、専業の準備を始める方がリスクは回避できます。生活費を確保するために料理教室の経費を削減しなくてはならない、なんてことになると食材の質にも影響しかねません。
自宅料理教室は宣伝広告で成功させる!
宣伝広告は、初回参加を確保できる唯一の方法です。お友達への声掛け、チラシ、ホームページやブログ、口コミは宣伝広告の主な方法。それぞれ成功させるポイントを詳しく解説します。
成功ポイント4. 初回参加を募る時にはチラシを活用
自宅料理教室の宣伝効果を上げるためには、まずはチラシ広告が必要です。アナログな方法ですが、近隣の方には一番目につきやすい方法なんです。
ホームページやブログは検索しない限り見ることはありません。でも、チラシなら手に取りさえすればチラっとでも読みますよね。最初の参加者をゲットしやすいチラシを有効活用しましょう。
成功ポイント5. 口コミは自宅料理教室の最大の宣伝媒体!
当然の事ですが、最初の参加者に好感を持たれることはとても大切なことです。その人自身がリピーターになってくれるだけでなく、お友達やご家族を誘ってくれることもあります。
また、料理教室に通う人は他の習い事をしていることも少なくありません。もしも、そういう場所で口コミをしてもらえれば効果抜群です。もともと同じ趣味の人が集まっている場所なので、同じ料理教室を好きになってくれる可能性も高いのです。
成功ポイント6. ホームページやブログの運営は必要不可欠
ホームページやブログは、宣伝ツールであると同時に連絡ツールでもあります。お知らせ欄や予約状況などをいつでも見られるようにしておきましょう。新しい参加者を獲得するためにも、教室の様子や料理の写真をアップするのは基本です。
また、効果的なのが仲良しのサイトオーナーとリンクしあうことです。お互いが訪問した時の様子などをアップしあえば、宣伝の場所は何倍にも膨れ上がることになります。農園のサイトや食器やキッチングッズのサイト、ワインや日本酒のお店なんかがおすすめです。
教室が軌道に乗って忙しくなると、ホームページやブログの更新がお留守になりがちです。でも、ホームページやブログが役に立ってくるのはこの頃から。名前を覚えてもらえるようになって初めて、ホームページが稼働し始めます。名前だけは聞いたことがあるけど、どんなところかな?と思う人がホームページを検索してくれるのです。忙しい中でも、なるべくこまめに更新するよう心がけましょう。
スキルがなくては話にならない!基本を押さえておこう
いくら資金的に余裕があっても、コンセプトがしっかりしていても、講師としてのデモンストレーションスキルが未熟だと生徒さんはリピートしてくれません。また、出来上がりの料理がおいしいことは基本中の基本です。
成功ポイント7. 教えながらおいしく作るスキルを学ぼう!
いくらお料理好きでも、教えるスキルがなくては料理教室の開業は難しいでしょう。料理教室には、教えるためのスキルを学べるコースもあります。まずは、自らが料理教室に通って教えるスキルを学ぶのもいいでしょう。
自宅のキッチンを使って、デモンストレーションのトレーニングをするのもいい方法です。自分で家族のために作る手順と、デモンストレーションをしながら作るのでは段取りは全く違います。デモで作った料理がいまいちおいしくなければ、参加者のリピート率は激減してしまう可能性が。
逆に出来上がった料理がおいしければ、印象は格段にアップします。「教えてもらって食べて、この授業料ならお得よね。」と思って帰ってもらい、リピートや口コミに繋げることが大切です。
こうした7つのポイントをしっかり押さえ、ぜひ口コミで話題となるような人気の料理教室にしてみてくださいね。