自宅でネイルサロンを開業する時に必要な費用は、自宅の設計や立地によって大きく変わります。安く抑えられると約50万円、奮発すると約300万円もかかるケースも。この差はいったい何なのでしょうか?
目次
ネイルサロン用品にかかる初期費用は約30〜60万円!
以下が、ネイルサロンの開業に必須となる用品や家具とおおよその費用です。
- ネイル用品:20~30万円
- ネイル台、椅子2客、デスクライト:3~10万円
- 陳列棚や収納棚:3~10万円
- 順番待ち用のソファ:3~10万円
以上の固定的な費用を合計すると、およそ29万円から60万円かかることになります。
ネイル用品は施術内容によって調節できる
上記の費用の中でも、ネイル用品は施術内容によって変化するでしょう。例えば、ジェルネイル専門店にするなら費用は低く抑えることができます。反対に、施術の幅を広げれば当然ながら材料費は高くつきます。
開業当初はジェル専門にして、だんだんレパートリーを増やしていく方法も。リピーターが増えたところで、少し凝ったデザインをお勧めしていく方法です。
ネイル台、椅子2客、デスクライトは費用だけでなくお客様目線も大切
これらの用品については、費用を抑えたければ量販店のもので良いでしょう。ただ、お客様の椅子は少し良いものを用意したいところです。座り心地が良い椅子を用意して、お客様が長時間座っても疲れないようにしましょう。
また、ネイル台の上に置くものはお客様が間近で見ます。100均丸出しでは興ざめです。安さを重視するだけでなく、なるべく見た目も綺麗でおしゃれなものを置く必要がありますね。
陳列棚や収納棚は統一感を重視しよう
意外にサロンの印象を決定づけるのが、陳列棚や収納棚です。機能性重視のクールなもの、かわいい感じのものなどがあります。いずれにしても統一感のないものを並べてしまうと、部屋全体が所帯じみて見えてしまいます。ここは少し多めに費用がかかっても、お店全体のコンセプトに合わせた棚を選びたいですね。
順番待ち用のソファ
予約制にしていても早めに着くお客様は意外に多いため、時間待ち用のソファが必要です。一緒にマガジンラックなども用意しましょう。
ネイルサロンの初期費用は変動が大きい「改装費」にも注意!
では次に、自宅をネイルサロンに改装する時にかかる費用について見ていきましょう。
変動の多いランニングコストとして、まず挙げられるのが改装費です。改装費は、ネイルサロン開業時にかかる初期費用のうち最も多くを占めます。
改装費はネイルサロンのコンセプトで変動する
改装費は、サロンの雰囲気やコンセプトによって大きく変動するでしょう。当然ゴージャスな雰囲気にしたければ改装費は高くつきますし、庶民的な雰囲気にすれば改装費を抑えることができます。
ただ、あまり大きな資金をかけると自宅開業のメリットがなくなってしまいます。いくら奮発しても100万円以内、できれば50万円以内で済ませたいものです。
またネイルサロンのコンセプトを決めるには、自宅の雰囲気も加味して考えなければなりません。洋風の一戸建て、デザイナーズマンションの一室、団地の一室、それぞれにふさわしい雰囲気のネイルサロンにすることが成功の鍵になります。
庶民的な雰囲気のネイルサロンでも、カーペットやカーテン、壁紙などを変えれば大体20万円程度はかかってしまうでしょう。もちろん、ゴージャスな雰囲気にしたければそれ以上の費用が必要です。
立地条件に合ったネイルサロンのコンセプトを打ち立てよう
また、自宅がどんな場所にあるかでネイルサロンのコンセプトが決まってきます。駅近のマンションなら、通勤帰りのお客様を見込むこともできます。こんな場合には、夜の営業も検討しなければなりません。OLさんが好むような、ちょっと可愛い雰囲気作りがいいかもしれません。
住宅地の中にあるなら、近隣の奥様達の好みを把握しなければなりません。庶民的な雰囲気が好まれる地域と、高級感のある雰囲気が好まれる地域があります。繁華街に近い場所なら、飲食関係の女性がお客様になることも。
自宅ネイルサロンの場合、まずは近隣のお客様の特徴やニーズをつかむことが大切です。庶民的な雰囲気が好まれるのか、高級感がある方が良いのかによって、改装費も大きく変動するでしょう。
自宅ネイルサロンの宣伝は「チラシ」が効果的!20万円程度は必要
自宅サロン開業当初のお客様は、友人知人のほかには近隣の方が中心になります。近隣の方に知ってもらう手段としては、新聞チラシや宅配チラシが効果的です。しかし新聞チラシや宅配チラシは、一回だけでは大きな効果は望めません。そのため2,3回配るとして、宣伝広告費に20万円程度はかかると見ておきましょう。
チラシの中で、駐車場の有無や料金などを明確にしておきましょう。クーポン券をつけたチラシにすれば、よりお客様の目を引くことができます。
まずチラシを配ることで名前を知ってもらえれば、そこからウェブで検索をかけてもらえるかもしれません。そのため、チラシ広告とウェブサイトの二本立てがおすすめです。時間に余裕があればブログで普段の爪のお手入れ方法、ネイルデザインのTPOなどを紹介すると良いでしょう。
ランニングコストは非常に流動的!融資や広告費によって変わる
自宅でネイルサロンを開業した場合にかかるランニングコストは、お客様の数によって大きく変動します。
まず、初期費用を融資で調達した場合はその返済が必要です。また、集客のためには定期的に広告宣伝をする必要があります。上記のようなチラシによる宣伝であれば、定期的に20万円程度かかるでしょう。
ホームページを開設した場合は、サーバー費用などがかかってきます。ただし、レンタルサーバーの中には年1万円以下で利用できるところもありますから、それほど大きな費用にはならないでしょう。
また、お客様が順番待ちする際に読む雑誌なども定期的に購入する必要があります。常に15冊程度置き、毎月買い替えるとしたら月々12,000円くらいはかかるでしょう。費用を抑えたいなら、中古で購入する、サイクルの早い週刊誌は避けて料理やインテリア系の雑誌を多く置く、といった方法がおすすめです。
これ以外に、光熱費やネイルに必要な材料費などがかかります。
ランニングコストも初期費用のうち!あらかじめ用意を
初期費用の融資を受けた場合、返済金は大きくのしかかってきます。融資のタイプによっては開業前から返済が始まるものもあります。そのため、初期費用すべてを融資に頼ってしまう方法はお勧めできません。
開業当初は売り上げが不安定で、時にはランニングコストの方が多いこともあります。「開業後、半年間ぐらいのランニングコストは初期費用の一部」と考えて、あらかじめ用意しておきましょうね。